ターポリンとは?生地の特徴や用途、何に使われているのかを紹介
ターポリンは、学校から工事現場、イベントまでさまざまな場所で使われている身近な素材です。
しかし、そもそもターポリンとは何かを理解している方は少ないですよね。そこでこの記事では、ターポリンの由来や特徴、よくある質問まで調べてまとめました。
目次
ターポリンとは?
ターポリンとは、主にインクジェット出力に使用される生地で、ポリエステル製の布を、軟質の合成樹脂でサンドした構造になっています。
しっかりした厚みと強度を持ち、防水性や傷に強いという特徴があります。また、日差しや色あせにも強いため、野外で長期間そのまま設置しておきたい横断幕や屋外広告などにも使われています。
頑丈でありながら柔らかみもあるため、耐久力が必要とされるバックやリュックなどに採用される場合もあります。
●ターポリンの由来
言葉の由来は諸説ありますが「tarpaulin(防水布)」から来ており、もともとは「タール (tar) を塗った覆い布 (pall)」であったという説が有力です。
かつてターポリンは、タールを塗って防水性を高めた帆布生地のことでした。
海風や塩水にも強かったため、船上の荷物を保護するシートや、船上で働く人々の上着として使われていたようです。
●何のために開発された?
前述したように、ターポリンは船上や海辺での防水を目的に使われていました。
現在、日本国内ではエステル帆布等を含めた防水性・耐久性のあるシート素材の総称として広義に使われています。
町中でみかける広告用の垂れ幕や横断幕には、軽い薄手の2類ターポリンが使われていることが多いです。
ターポリンの生地の特徴とよくある質問
ここからは、ターポリンの特徴とよくある質問をそれぞれ調べて解説していきます。
●ターポリンの耐候・耐用年数
ターポリンの耐候・耐用年数は、環境にもよりますが、薄手のものでも耐用年数が3年程度という情報が一般的です。ただし、ご注文いただいたお客様の中には1年程度の場合もあり、やはり設置する場所や天候などの環境に左右されやすいと言えます。
ただ、基本的には耐久性は高く、印刷物の色あせもしにくいため、屋外広告用の素地としてもおすすめの生地です。
●ターポリンの耐熱温度は?
表面のビニール素材の耐熱温度の基準は、外気温(雰囲気温度)でおよそ-10℃~+50℃未満です。(※ただし、設置いただく環境や気候などの状況により変動します)
サウナのような日常的ではない温度の場所で使うことは考えられていないほか、火の近くや暖房器具の近くなども耐熱温度を超えてしまう可能性があるため注意が必要です。
気温の高い国々では表面が溶けてしまう可能性がありますが、日本では夏場の日差しにも充分に耐えられます。
●ターポリンの耐油性・耐酸性は?
ターポリンの表面は、薬品タンクなどに使われている塩化ビニールですので、他の布地に比べて耐油性・耐酸性が高いことが特徴です。
ただし、一般的なターポリンでは、特別に耐油性・耐酸性をあげていない限り、強い耐久を必要とされる現場での使用はされません。
あくまで日常的な状況での耐油性・耐酸性が高いと考えると良いかもしれません。
●プリント後のインクの耐候年数
ターポリン幕にプリントされたインクの耐候年数は、屋外の利用で3年程度とされています。
ただし、こちらも設置する環境や気候など環境によって変動します。
弊社で取り扱っているターポリン生地
続いて、弊社で取り扱っているターポリンから各素材の特徴とメリットをご紹介していきます。
●ターポリン
スタンダードなターポリン生地です。
防水性が高く、厚みがあって丈夫なので耐久性があります。
主に、店舗に設置する幕やイベント時のテーブルクロスに使うことも目的とした注文の多い商品となっています。
●メッシュターポリン
メッシュターポリンは、ターポリン生地に細かい穴の開いているメッシュ状の素材です。
視認性は劣りますが、風の抵抗が少ないため、強い風が吹く高所や風の抵抗が大きい大型幕でも耐久性の劣化等を気にせずお使い頂けます。
建築現場の足場シートや養生幕、ビルラッピングにおすすめです。
●遮光ターポリン
遮光ターポリンは、ターポリン生地の間に遮光幕を挟むことによって、光を通さないようにした生地です。
生地の間に遮光幕を挟んでいるので両面印刷が可能で、表面と裏面が透けずに別々のデザインを印刷できるというメリットがあります。
お客様の中には、片方に店のロゴ、片方にメニューを印刷するなどの使い方をされている事例もあります。
裏表広告が見えた方がよい、ショッピングモールの広告やタペストリー、高所でライトアップされる場所にご活用頂いたり、建築現場のイメージシートとしてもお使いいただいております。
●遮光メッシュターポリン
遮光メッシュターポリンは、遮光性があり両面印刷も可能。通常のターポリンに比べても強度のある生地です。
また、メッシュ状に加工されているため風通しもよく、海辺などの風が強く湿気が多い場所でも安心してお使い頂けます。
お客様の中には、両面印刷をしなくても、強度を高めるために遮光メッシュターポリンをお選びいただく方もいらっしゃいます。
ターポリンは何に使われている?
ここからは、ターポリンが実際にどのようなシーンや用途で使われているのかを、表にまとめていきます。
用途 | 具体的な利用シーン |
工事現場向け | ・足場シート(養生幕・建築現場シート) ・懸垂幕、横断幕(ノーマル・メッシュ・反射) ・車両幕 ・タンカン標識 ・三角旗 ・社旗 ・安全旗 ・腕章 ・安全掲示板 ・その他ターポリン加工品など |
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商業施設向け | ・店頭幕 ・タペストリー ・日除け幕(オーニングは除く) ・バナー ・街灯フラッグ ・バナースタンド ・吸着ポスターなど |
自治体・学校向け | ・横断幕 ・懸垂幕(祝 全国大会出場~系) ・タペストリー ・インタビューバッグロールバナー・バナースタンド ・簡易テント天幕 ・腕章・たすきなど |
展示会・イベント向け | ・ロールバナー ・バナースタンド ・椅子カバー ・テーブルクロス ・タペストリー腕章・たすき ・吸着ポスター ・店舗向け ・タペストリー ・ロールバナー、バナースタンド ・日よけ幕 ・懸垂幕・横断幕など |
このように、ターポリンは、建築工事などの現場だけではなく、学校やイベントなど幅広いシーンで使われています。
ターポリン幕の補強・加工方法
ターポリンの補強や使いやすさ向上を目的にした加工方法には様々ありますが、弊社では主に以下の加工を行っております。
- 四辺カット
- 四辺カット+ハトメ加工
- 周囲ロープ縫い込みハトメ加工
- 袋加工(内袋仕様)
●四辺カット
ターポリン幕の四辺を、仕上がりサイズでカットのみ行う加工です。
縫製補強を行っていないため、屋外での長期利用には向いていませんが、展示会などのブースの装飾にはオススメです。
●四辺カット+ハトメ加工
幕の四辺をカットしたのち、紐を通すためのハトメ加工を施します。
ハトメによって強度が高まり、紐を通しても破れにくくなるなどのメリットがあります。
バナースタンドや屋内の横断幕等にオススメです。
( ※ハトメ加工とは、ターポリン幕に紐を通すための穴をあけ、「ハトメ」と呼ばれる金具を取り付ける加工のことです。)
●周囲ロープ縫込みハトメ加工
幕の四辺にロープを縫い込み、ハトメ加工を施します。
風の抵抗にも強く、しっかり固定しやすいので、最も強度があるオススメの加工方法です。
※ハトメ取り付け用のロープは付属しておりません。
●袋加工(内袋仕様)
生地を折り返し、袋状にする加工方法です。
中に通す棒に合わせて、ご希望の棒袋サイズで仕上げる事が可能です。
店頭幕やモールの垂れ幕としてオススメです。
※パイプはオプションにて購入が可能です。(幕サイズで納品)
※パイプ幅1800mm以上は別途お見積り致します。
その他にも、縫い目や穴を気にせずデザイン性を重視できるウェルダー加工や、ロープを縫込まず折り返し縫いのみ施す加工なども可能です。
ご希望のお客様は、お気軽にお問合せください。
ターポリン幕の保管とお手入れについて
ターポリン幕は、折りたたんで保管するとインク同士が張りついてプリントが剥がれてしまう場合があります。それを防ぐためにも、プリントされた面を内側にした状態で丸めて保管することをおすすめしています。また、長持ちさせるためには、そのまま保管するのではなく雨や砂などの汚れを落とす必要があります。防水効果があるため、乾いた布で優しく拭き取るだけで問題ありません。インク剥がれを防ぐために、力強く拭くことは推奨していません。
最後に
この記事では、建築工事の現場シートや養生幕でよく使われるターポリンについて詳しくまとめました。
生地の特徴や何に使われているのかご理解いただけましたでしょうか?
弊社「まくする」は、ターポリンが得意な印刷通販です。これまで積み重ねてきた経験と実績をもとに、業界最安値の印刷を提供しています。
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