展示会ブースデザイン【実例5選】集客力を高めるアイデアと工夫とは?

展示会への出展を成功させるには、ただ商品やサービスを並べるだけでは不十分です。ブース前を通る来場者を惹きつけ、印象に残すには、「ブースのデザイン」が勝負の分かれ目となります。とはいえ、限られたスペースや予算の中で「効果的なブースづくりをどう進めるか」は、担当者にとって大きな悩みの種ではないでしょうか。

本コラムでは、展示会ブースのデザインに悩む方に向けて、実際の事例を5つご紹介します。それぞれのブースが、どんな目的で・どのように工夫されているかを紐解きながら、集客力を高めるためのアイデアも解説します。展示会のブースデザインでお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。

展示会ブースのデザインで多いお悩み

展示会のブースづくりを任された担当者様からは、日々さまざまな悩みの声が寄せられます。どんなに良い商品・サービスを持っていても、ブースデザイン次第で集客効果や印象が大きく変わるため、慎重に考えたいところです。

実際によく聞かれるのは、次のようなお悩みです。

  • 他社と差別化できるブースにしたい
  • 社名やサービス内容をしっかり伝えたい
  • 通りすがりの人の足を止めたい
  • 限られた予算の中で最大限の効果を出したい
  • 初めての出展で何から手をつければよいか分からない
  • デザイン会社に依頼するほどの予算はないが、安っぽく見せたくない

このような悩みを解決するには、単なる装飾ではなく、「目的に合ったデザイン設計」が欠かせません。例えば「商談数を増やしたい」のか「ブランド認知を広げたい」のかによって、最適な構成や装飾はまったく異なります。目的を明確にし、ターゲットとなる来場者の視点でデザインを組み立てることが、印象に残るブースづくりの第一歩です。

また、デザインだけでなく、ブースの高さ・導線・照明・資料配置といった「空間設計」も重要です。ブース全体を“ひとつの広告”としてとらえ、視覚的にも体験的にもブランドの魅力が伝わる構成を意識することで、より多くの来場者を引き寄せられます。

展示会ブース

展示会ブースをデザインする際のポイント

前章でご紹介したように、展示会ブースの設計では目的に合ったデザインづくりが欠かせません。ここでは、実際にデザインを進める際に意識しておきたい具体的なポイントを整理します。単に見栄えを整えるだけでなく、来場者の動き方やブース全体の印象をコントロールする視点が重要です。

展示会では、来場者が数秒でブースの印象を判断します。わかりやすく伝わる構成・導線を意識し、「何をしている企業なのか」が一目で分かるように設計することが成功のカギです。

  • アイキャッチの工夫:遠くからでも目に留まるキャッチコピーやビジュアルを設置。高さや照明を活かして視認性を高めます。
  • 統一感のあるデザイン:色やフォント、素材感を統一することでブース全体にまとまりが生まれ、ブランドイメージを強化します。
  • 来場者の動線設計:「入りやすく、出やすい」配置を意識することで、滞在時間が自然に長くなります。資料やノベルティは手に取りやすい位置に。
  • 会話を生む仕掛け:タペストリーやパネルなどに“質問したくなる要素”を入れると、スタッフとの会話が生まれやすくなります。
  • 撮影・拡散の工夫:ロゴやスローガンを背景にしたフォトスポットを用意すれば、SNS投稿による二次的な集客も狙えます。

また、展示会は照明や什器の配置次第で印象が大きく変わります。たとえば、スポットライトを当てて製品を際立たせたり、床や背面幕にアクセントカラーを使って奥行きを出すことで、同じスペースでも見え方が全く異なります。限られたスペースの中でも、「何を最も伝えたいのか」を決め、その一点に焦点を当てたデザインにすることが成功の近道です。

それでは実際に、工夫が光る展示会ブースの実例5選を見ていきましょう。

展示会ブースデザイン【実例5選】

ここからは、実際に当サイトでブース装飾をお手伝いした展示会ブースの事例をご紹介します。それぞれの企業様がどのような目的でブースを設計し、どのようなデザインの工夫で来場者の注目を集めたのかを解説します。ブースづくりの方向性に悩んでいる方は、ぜひ自社のイメージや業種に近い事例を参考にしてみてください。

(株)いえらぶGROUP様|開放感と視認性を両立した洗練ブース

不動産業界向けシステムを提供する(株)いえらぶGROUP様より、展示会ブース用の大型幕をご依頼いただきました。トラスに幕を張ることで高さを確保し、遠くからでも目に留まる開放感のあるブースデザインに仕上がっています。視線を上方向に導く構成は、広い展示会場での視認性アップにも大きく貢献しています。

使用した素材は耐久性と発色に優れたターポリンで、4辺カット+ハトメ加工を施し、トラス設営に最適な仕様としています。大判サイズの幕を複数組み合わせることで、広さと統一感を兼ね備えたブース空間を実現しました。「小間数が広いブースをどう目立たせるか」という課題に対し、高さと余白を活かしたデザインが功を奏した好例です。

(株)いえらぶGROUP様_展示会用幕製作事例

(株)いえらぶGROUP様_展示会用幕製作事例

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(株)ジェイエスティ様|壁面幕で魅せるシンプル&スピーディーな展示ブース

旅行事業など幅広く展開されている(株)ジェイエスティ様より、展示会用のブース装飾幕をご依頼いただきました。壁面に幕を設置することで、社名やサービス内容がひと目で伝わる視認性の高いデザインを実現。シンプルな構成ながらも、統一感のある色使いが企業イメージをしっかりと印象づけます。

使用素材は、丈夫で発色の良いターポリン。4辺カット+上部のみハトメ加工を施し、Sカンで簡単に吊り下げられる仕様となっています。設営もスピーディーで、搬入当日も「設営が一瞬で終わった」とのお声をいただきました。短時間で設営したい展示会や、コストを抑えながらブランドをしっかり伝えたい企業に最適な構成です。

また、4辺カット加工により縫製部分がなく、見た目にもスッキリとした仕上がり。ブースの壁面全体を活用してロゴやメッセージを配置することで、空間を大きく見せつつ統一感を演出しています。

(株)ジェイエスティ様_展示会ブース製作事例

(株)ジェイエスティ様_展示会ブース製作事例

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(株)総合近江牛商社様|ビビッドカラーを使ったインパクトブース

滋賀県の特産品「近江牛」を取り扱う(株)総合近江牛商社様より、展示会ブース用の幕をご依頼いただきました。会場でひと際目を引く鮮やかな黄色の背景に、英語テキストとイラストを組み合わせたデザインが印象的。ブランドの世界観をしっかりと伝えながらも、大胆な配色で来場者の足を止めるブースです。

使用素材は軽量で扱いやすいトロマット生地。ヒートカット加工により、縫製のないスッキリとした仕上がりになっています。布素材ならではの柔らかな質感と色の発色が両立し、遠目からでも明るく目立つ印象に。また、アイロンがけも可能なため、搬入時の折りジワ対策も簡単。展示会やイベントなど、繰り返し使用したい場合にもおすすめの素材です。

担当者様からは「会場内で一番目立つブースになった」「生地の質感も良く満足している」とのお声をいただきました。デザインと素材の組み合わせで、商品の品質や企業の個性をしっかり伝えられた好例といえます。

(株)総合近江牛商社様_展示会ブース製作事例

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バヅクリ株式会社様|ブランドの世界観を伝える親しみやすいブースデザイン

人材育成や組織開発を支援するバヅクリ株式会社様より、展示会ブース用の幕製作をご依頼いただきました。ブース左右に設置された幕は、オレンジ系カラーをグラデーションで表現したやさしく親しみやすいデザインが特徴です。明るく柔らかな雰囲気が来場者の目を引き、自然と立ち寄りやすい空間を演出しています。

使用素材は防炎仕様のターポリン。丈夫でありながら発色が良く、展示会場の照明にも映える仕上がりです。加工は4辺カット+上部のみハトメ加工で、Sカンなどを使って簡単に設置できます。梱包は畳み梱包で、折りジワ対策をしながら持ち運びや保管のしやすさにも配慮しています。

また、ブース全体の統一感を意識しつつも、デザインには企業の“想い”が込められています。「堅苦しくない」「温かみのある」印象を与えるデザインが、ブランドイメージと来場者の印象を自然につなげる仕上がりです。

バヅクリ株式会社様_展示会ブース製作事例

バヅクリ株式会社様_展示会ブース製作事例

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よあけデザイン様|高級感のある展示会タペストリー

チラシ・パンフレットなどの制作を行うよあけデザイン様より、展示会用のタペストリーをご依頼いただきました。スエード素材特有の上品な光沢と柔らかな質感が、ブース全体に落ち着いた雰囲気を演出しています。

スエードは写真やイラストの印刷再現性が高く、発色の美しさが特長です。加工は上下袋加工(内袋仕様40mm)+上下パイプひもセット仕様で、巻き梱包にて納品しました。軽量で扱いやすく、展示会会場でもスマートに設置できます。

やわらかな色調と上品なデザインが、ブース全体を穏やかな雰囲気に包み込みます。スエード素材ならではの発色と質感が印象的で、遠くからでも視線を集める高級感のある仕上がりとなっています。展示会においても、ブランドの世界観をしっかりと伝えるタペストリーの事例です。

よあけデザイン様_タペストリー製作事例

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実例で採用された生地のご紹介

展示会ブースの印象を左右するのは、デザインやレイアウトだけではありません。どのような生地(素材)を選ぶかによって、色の見え方・質感・設置のしやすさが大きく変わります。ここでは、先ほどご紹介した実例でも採用されていた3種類の生地「ターポリン」「スエード」「トロマット」について、特徴やおすすめの使用シーンをご紹介します。

ターポリン|発色・耐久性・コスパの三拍子がそろう定番素材

ターポリンは、塩化ビニール系のシート素材で、耐久性・防水性・発色の良さがそろった万能タイプです。屋内外を問わず使用でき、雨風に強いことから屋外イベントや常設展示にも採用されています。また、やや光沢のある表面が印刷デザインを引き立て、写真やロゴの色味をより鮮やかに表現できます。

さらに、防炎仕様のターポリンであれば展示会場の安全基準にも対応可能。防炎認定生地を使えば、安全性とデザイン性を両立したブースづくりができます。適度な厚みがあるため、シワになりにくく、繰り返し使用する場合にもおすすめです。コストパフォーマンスの高さから、初めて展示会に出展する企業にも人気の素材です。

ただし、ターポリンは一度折りジワが付くと完全には取れない特性があります。そのため、展示会やイベントで使用する際は巻き梱包での納品がおすすめです。シワを防ぐことで、ブース全体の印象を美しく保ち、デザインの魅力を最大限に引き出すことができます。

ターポリン

ターポリンの詳しい特徴や取り扱い方法については、以下のコラムでも詳しく解説しています。
>>ターポリンとは?生地の特徴や用途を紹介
>>ターポリンの保管とお手入れ方法とは?色褪せ・シワを防ぐコツ

スエード|上品でやわらかな印象を演出する高発色素材

スエードは布生地の一種で、光沢を抑えたマットな質感が特徴です。印刷面の再現性が高く、写真やイラストを美しく表現したいブース装飾に最適。柔らかい素材ながらも発色が非常に良く、スポットライトや照明の下でも色がくすまず、上品な雰囲気を演出します。

また、軽量で扱いやすく、布ならではの自然な落ち感があるため、空間全体にあたたかみを与えます。「落ち着いた高級感を出したい」「来場者に安心感を与えたい」という展示会ブースにもおすすめです。反射を抑えた素材なので、撮影にも適しており、PR写真にもきれいに映るのが魅力です。

さらに、設置や撤去も簡単で、持ち運びや再利用もしやすいのがスエードのメリットです。見た目の美しさと実用性を兼ね備えた、展示会装飾に最適な素材といえます。

スエード生地

スエードや遮光スエードの詳しい特徴については、以下のコラムでも詳しくご紹介しています。
>>幕に使用される「スエード」「遮光スエード」生地とは?

トロマット|布らしいやわらかさと高発色を両立した万能素材

トロマットはポリエステル製の厚手布素材で、展示会ブースの背景幕や大型タペストリーなどによく使用されます。繊維の密度が高く、インクののりが良いため、発色の鮮やかさと文字の読みやすさが両立。デザイン性と実用性のバランスが良く、幅広い業種で人気を集めています。

また、トロマットは折りたたんでもシワがつきにくく、軽量で持ち運びがしやすいのが大きな特徴です。展示会やイベントでの搬入・設営がスムーズに行えるため、限られた時間で準備を行う担当者にとっても扱いやすい素材です。布地特有のやわらかな質感がありながらも、ピシッとした張り感もあるため、上品でプロフェッショナルな印象を演出します。

さらに、アイロンがけが可能なため、使用後のお手入れも簡単です。複数回のイベント出展を予定している場合でも、再利用しやすくコストパフォーマンスにも優れています。布幕の中では特にバランスの取れた人気素材といえるでしょう。

トロマット生地

トロマットの詳しい特徴や使用シーンについては、以下のコラムでも紹介しています。
>>幕に使用される「トロマット」生地とは?

その他の生地ラインナップを見る

当サイトでは、ターポリン・スエード・トロマットのほかにも、遮光スエード・メッシュターポリン・トロピカルなど多様な素材を取り揃えています。使用シーンや設置環境に合わせて、最適な生地をお選びいただけます。素材ごとの特徴や耐久性などを詳しく紹介していますので、ぜひ以下のページもご覧ください。
>>取扱い生地のご紹介

まとめ

本記事でご紹介したように、展示会ブースのデザインには、業種や目的に応じた工夫が必要です。世界観をつくりこむ、キャッチコピーで惹きつける、視認性を高めるなど、どんな手法を選ぶかによって集客効果や印象は大きく変わります。

素材選びもブースづくりを成功に導く重要なポイントです。ターポリン・スエード・トロマットといった生地には、それぞれ異なる魅力があります。展示会の雰囲気や使用期間、演出したい印象に合わせて最適な素材を選ぶことで、より完成度の高いブースを実現できます。

「オリジナリティを出したい」「自社に合う素材を知りたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。企業イメージや商品特性に合わせた最適なご提案をさせていただきます。
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また、本記事でご紹介した5つの実例以外にも展示会ブースの事例が多数ございます。以下ページもぜひ参考にご覧ください。
>>展示会 事例一覧はこちら