遮光とは?遮光性が求められるシーンと素材選びのポイント
日差しの強い季節や西日が差し込む時間帯など、「遮光」という言葉をよく耳にする方も多いのではないでしょうか。一般的には遮光カーテンが代表的ですが、実は幕やバナー、横断幕などにも遮光性が求められるケースがあります。
本記事では「遮光とは何か」をわかりやすく解説するとともに、遮光性能を持つ生地を使用した幕の活用方法や、実際の製作事例もご紹介します。特に「イベントや施設で使う幕に遮光性が必要」という方は、ぜひ参考にしてください。
目次
遮光とは?
遮光とは、光を遮って日差しの透過を防ぐことを意味します。屋外で使用されるタペストリーやフラッグ、横断幕などにおいては、遮光性能の有無によって、視認性やデザインの美しさが大きく左右されます。
とくに日差しの強い環境では、遮光性のない素材を使用すると、裏側からの光で図柄や文字が透けて見えてしまい、視認性が下がってしまいます。遠くから見た際にぼやけて見える、あるいは背景とのコントラストが薄れるなどの問題も発生します。
そのため、屋外で使用される販促用の幕や装飾には、遮光性を備えた素材の選定が重要です。遮光性を高めるには、生地の中に黒い中間層(遮光層)を挟み込んだ三層構造のターポリンや、遮光メッシュといった専用素材が多く用いられています。
遮光性が求められる幕とは
遮光性が必要とされるのは、カーテンやスクリーンだけではありません。屋外・屋内を問わず、強い光が当たる環境で使用される幕では、透けにくく、裏側の要素に影響されない視認性が求められます。たとえば、以下のようなシーンでは遮光性のある幕が効果を発揮します。
- イベント会場や展示会ブースの背面幕(光を遮ってデザインをしっかり見せたい場合)
- 窓際に設置するタペストリーや横断幕(屋外の光を遮り、店内側からの透けを防止)
- バックライトが不要な屋外看板(強い日差しでも文字がくっきり見える)
- 店舗内装飾や背景演出に使う幕(照明の干渉を抑えてイメージどおりに演出)
- 屋外や光の透過が気になる場所に掲げるフラッグ(裏面透けを抑えてデザインを強調)
また、両面印刷を行う際にも遮光生地を使います。両面印刷で異なるデザインをしっかり見せたい場合には、三層構造の遮光ターポリンなどが最適です。
遮光素材の種類と特徴
当サイトでは、遮光機能を備えた生地として、主に3種類の素材を取り扱っています。それぞれ特性が異なるため、設置場所や使用目的、さらにはデザインの再現性に応じて、適した生地をお選びいただけます。それぞれの生地については、このあと詳しくご紹介します。
遮光ターポリン
ターポリンはビニール系の厚みがある丈夫な素材で、耐久性に優れていることから屋外使用にも適しています。遮光タイプのターポリンは、表と裏の生地の間に黒い遮光層を挟んでおり、太陽光や照明の光をしっかりと遮断します。片面印刷だけでなく、裏写りを防ぎながら両面印刷にも対応可能です。屋外の横断幕、懸垂幕、建物外壁装飾、フラッグなどに多く利用されており、しっかりとした存在感を出したい場面に最適です。
ターポリン生地については、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>ターポリンとは?生地の特徴や用途、何に使われているのかを紹介
>>ターポリンのメリット・デメリットを徹底解説!
遮光メッシュターポリン
遮光メッシュターポリンは、細かい穴が開いた風通しのよいメッシュ構造を持ちながら、遮光性を兼ね備えた特殊な素材です。軽量で風の影響を受けにくく、特に高所や風の強い場所での掲出に向いています。遮光タイプであれば両面印刷も可能で、裏写りの心配がありません。高層ビルの足場幕や建設現場の仮囲い、外壁装飾など、建物全体を覆うような大規模な装飾にも多く採用されています。
メッシュターポリン生地については、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>メッシュターポリンは文字がきちんと見える?
遮光スエード
スエードは布素材の中でも特に質感が高く、柔らかさと高級感を兼ね備えた生地です。遮光スエードは遮光材を挟んでいることで、照明の影響を受けやすい屋内イベントや展示会ブースなどでも透けにくく、落ち着いた雰囲気を演出することができます。発色も良好で、グラフィック表現にも適しており、装飾性の高いデザインが求められるシーンにぴったりです。特に屋内で使用する背景幕やフォトスポット用の幕として人気があります。
遮光スエード生地については、以下の記事もあわせてご覧ください。
>>幕に使用される「スエード」「遮光スエード」生地とは?
また、各素材について詳しくは以下の一覧ページもご覧ください。
>>取り扱い生地のご紹介
遮光素材を使用した製作事例
遮光素材は、光を遮る性質を持つため、屋外の直射日光下や照明が強い空間でも高い視認性を維持できるのが特長です。ここでは、実際に遮光ターポリン・遮光スエードを使用した製作事例をご紹介します。
遮光ターポリンの製作事例|(株)東急百貨店様
(株)東急百貨店様よりご依頼いただき、街頭フラッグを製作させていただきました。素材には遮光ターポリン(両面同柄)を使用し、表裏どちらから見ても鮮やかなデザインが映える仕様に仕上げました。サイズは幅620mm×高さ1600mm、上部にはステンレスパイプ(10ø)を袋縫いで通し、6箇所のハトメ加工を施すなど、高い耐久性と設置安定性を追求しています。
遮光ターポリンの製作事例|ひろしまO.Rシステム(株)様
ひろしまO.Rシステム(株)様よりご依頼いただいたのは、看板・案内板として利用される遮光ターポリン幕です。左側には標準ターポリン(W3000mm × H1700mm)、右側には遮光ターポリン(片面印刷、W5500mm × H1800mm)を使用した2種類の幕を製作させていただきました。周囲をロープで縫い込み、ハトメ加工を施して屋外利用に耐える仕様としています。
遮光スエードの製作事例|株式会社 CMF Design Lab 様
株式会社 CMF Design Lab 様よりご依頼いただいたのは、展示会ブースの装飾として活用される遮光スエード幕です。照明を当てた時の透け感を防ぐために、遮光スエード(片面印刷、W2,000mm × H600mm)を使用し、上下には袋加工を施しました。布特有の風合いと高い発色性が活かされたデザインで、空間演出に大きく貢献しています。
遮光スエードの製作事例|KFZ(株)JAC教育学院様
KFZ(株)JAC教育学院様より、卒業式での記念撮影用としてフォトスポット幕のご依頼をいただきました。こちらはお客様のご要望から商品化された両面印刷可能な遮光スエード素材のフォトスポット幕です。屋内の会場照明でも透けにくく、写真写りも美しく仕上がります。
遮光性のある幕を選ぶポイント
遮光性のある幕は、設置場所の環境や求める演出効果に応じて、最適な素材を選ぶことが大切です。たとえば、屋内外の設置場所によって素材の適性が大きく変わり、光を通さないことでデザイン性や視認性に大きく影響します。以下のような観点から、使用目的に合った遮光素材を選定しましょう。
- 屋内か屋外か:屋外ならターポリン系、屋内ならスエードが最適
- 風の影響:風が強い場所ではメッシュ素材を選ぶと安全性が高まる
- 両面印刷の有無:裏写りを防ぐために遮光タイプが必要
- 高級感を演出したい:展示会や式典には遮光スエードがおすすめ
遮光素材は、幕の役割だけでなく、場の雰囲気や視覚的インパクトにも関わる重要な要素です。迷ったときは、設置場所の光環境や見せたい印象を整理して、素材選びを行うと失敗が少なくなります。
まとめ
遮光とは、光の透過を防ぐ機能のことであり、単に明るさを遮るだけでなく、視認性の向上や印刷デザインの美しさを保つためにも非常に重要な役割を果たします。とくに屋外や照明の強い場所では、遮光性のある素材を使うことで、図柄や文字がくっきりと見える幕を製作することができます。
当サイトでは、遮光ターポリン・遮光メッシュターポリン・遮光スエードといった用途に応じた遮光素材をご用意しており、販促・装飾幕、フラッグ、式典や展示会の背景幕など、幅広いシーンで活用されています。実際の事例からもわかるように、遮光性のある幕は、視認性や演出性を高めるだけでなく、使う場所や目的に合わせた「印象づくり」にもつながります。
「日差しが強くてデザインが見えにくい」「両面印刷で裏写りが気になる」といったお悩みがある方は、ぜひ遮光素材を使った幕の導入を検討してみてください。最適な素材の選定から加工方法まで、専門スタッフが丁寧にサポートいたします。